【R-18小説】第5話「15少年少女漂流記」

「全く、一時はどうなることかと思ったわ」

炎天下の太陽が輝く浜辺でアキが苦笑しながらつぶやいた。眩しいばかりのビキニ姿での作業にグラビアめいた魅力があるが、その眼前にあるのが座礁したクルーザーとなればその取り合わせの奇妙さに誰もが驚くことだろう。

「うう、皆さん、ほんますんまへんなあ。まさかこんなことになるやなんて……」

そう申し訳なさそうにしょぼくれたのは八郎である。温泉アイドルとして新しい温泉の考案に煮詰まったアキたちに、南洋のリゾート地での新たな温泉を見せてあげよう、提案したのがことの発端だった。

そのために手配した大型クルーザーがあえなく嵐に見舞われ、無人島に漂着してしまったのである。

「もう~そういうことは言いっこなしよ。八郎くんがどうにかできたことじゃないんだから気にしないの!」

「アギちゃんの言うとおりです、それに私はこういうのも結構、ど、ドキドキすて……」

「ん?涼香ちゃんなんか言った?」

「いっ、いえなんともぉ!?」

頬を赤らめ涼香はぴょんと跳ねた。怪訝そうに感じたアキだが、突然の無人島サバイバルで気が休まらないのだろうと感じて深くは突っ込まなかった。いまはクラス一丸となってこの危機を乗り越えなければならないのだ、細かいことは気にしていられなかった。

「一時はどうなることかと思ったが、みんな逞しいもんだな」

そういうのはクルーザーの中にあったテントを張っている龍馬である。取材と称して同行したのが運の尽きだった。カメラマンの岩田もそれに応える。

「ああ、でも見ろよこの絶景。女学生たちの水着だ、素晴らしいものじゃないか」

岩田はそう言いながらなんとか無事だったカメラを回している。浜辺ではみずみずしい少女たちの肢体が弾けるように輝いていた。その一人一人を克明に岩田のカメラは映している。

「お前なー、いまは緊急事態なんだぞ? こういうときくらい撮影のこと忘れられんのか?」

「バカ、こういうときだからこそ、だよ。彼女たちは温泉アイドルだろ? こういうときこそアイドルとしての本質が試される。アイドルってのは島でのサバイバルが華なんだよ!」

「聞いたことないぞ、そんなこと……しかし、そう悠長に構えてられるのか?」

「あのな、緊急事態だからこそ無事に生き延びたときに企画としての価値が高まるんだ。それに、今頃は学園のほうでも話題になって捜索が始まっているだろう。一週間分の食料はある。悲観することはないさ」

岩田はカメラマンといえど、実質龍馬の軍師として知られている。その番組作りへの異常な熱意はディレクターの龍馬をも唸らせるものもあったが、ここまで来ると呆れるものすらあった。

「オレは三波みたいに楽しむことにするよ……それに、いまから気合いを入れてると、あとあと大変になりそうだからな」

三波はまだ現実を受け止められていないのか、ビキニ姿で女生徒たちとはしゃいでいた。果たして、龍馬の懸念は遠からぬうちに実現することになった。

つづきはこちらを読んでね▼

https://onsen-photo.com/archives/71477

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。